夏の風物詩といわれるスイカ。約90%が水分で出来ているので、まさに夏には最適の食べ物です。美味しいのはもちろん、ダイエット効果や美容効果がある食材といわれています。赤い果肉にはβカロテンやリコピンが含まれており、活性酸素を除去し、シミやシワの予防に効果がある成分です。その他にも血糖値を下げたり、動脈硬化症を予防してくれる効果も期待できます。またスイカの皮の白い部分には、果肉の2倍もの量のシトルリンという栄養素が含まれています。アミノ酸の一種であるシトルリンは他の果実にはほとんど含まれていない成分で、抗酸化作用があり・腎臓の働きを助け・老廃物も一緒に排出してくれる利尿作用・血圧を下げる作用があります。捨てるには本当にもったいないところなので、漬け物として加工し食べてみましょう。そんなスイカの栽培方法、育て方のコツを紹介します。
横につるが伸びるのでかなり広いスペースを必要とします。
種まき
- ポット(9~12cm程度)に1~2粒ずつ1cmの深さに種をまきます。
- 覆土して軽く土を手で押さえ、たっぷりと水を与えます。
用土は市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに使えるので便利です。
育苗
- 本葉がでたら、間引いて1本立ちにします。
- 本葉が4~5枚の頃、定植適期です。
ビニール温室などの暖かい環境で育て、充分日光に当てるが、高温になりすぎないよう換気に注意しましょう。
土づくり
スイカの好適土壌pHは5.5~6.5です。
- 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 定植1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり2~3kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり50g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。普段から作付けしていて肥料成分が土に残っている場合は、堆肥だけでも構いません。
マルチを張っておくと地温確保や雑草抑制になり、後々の管理が楽になります。また乾燥や泥はねを防ぎます。
畝幅 90cm程度 +2mほど横につるが伸びるスペースが必要です。
株間 90cm程度
定植
本葉が4~5枚の頃、定植の適期です。スイカは高温を好むので、植え付けは気温が十分に高くなってから行いましょう。晩霜のおそれがある時はホットキャップを被せて保温します。
- 根鉢を崩さないようポットから抜き取ります。
- 深植えを避けてうね面と同じ高さになるよう植え付けます。
- その後たっぷりと水を与えましょう。
水やり
水分豊富なスイカですが、多湿を嫌う性質があります。しおれない限り、水を与えなくとも問題ありません。自然の雨だけで十分育ちます。
整枝・摘心
- 親づるは本葉5~6枚に育ったら先端を摘芯します。
- 親づるを摘芯したら、勢いのよい子づるを3~4本選んで残し、他は切り取ります。
- 子づるから分枝して伸びる孫づるはすべて取り除く。目標果が着果したらその後は伸ばしておいて大丈夫です。
敷わら
つるがはう場所には敷きわらをしましょう。土の乾燥や降雨時の泥跳ねを防ぎ、病気予防にもなります。マルチをしたときも、巻きひげがからむところがないので、風雨に強くなるように軽く敷きわらをします。
人工授粉
花のガクの下に膨らみがあるのが雌花、ないのが雄花です。虫が豊富にいる時期であれば自然に授粉しますが、確実に着果させるために人工授粉させておきます。人工授粉は早朝に行うのがポイントです。雄花を取って、雌花に雄しべをこすりつけます。
早い時期に子づるにつく雌花はいい果実にならないので早めに摘花しておき、15~20節の位置に咲いた雌花に着果させましょう。
人工授粉した雌花には、ラベルに交配した日を書いてつけておくと、その後の収穫期の見極めに便利です。
追肥
果実が肥大し、テニスボールサイズになったら追肥します。追肥は1回です。
つる先に肥料を散布する(普通化成肥料を1株あたり50g程度)。
摘果
果実がソフトボール程度になったころ、形のよいものを1本のつるに1個残して摘果します。着果以降に咲いた雌花は、受粉しないように摘み取りましょう。
玉直し
果実の下の部分は光が当たりにくく、日光がまんべんなく当たらないと綺麗に色がつきません。授粉後20日頃から日が当たっていない面を上に向けて、全面に日が当たるようにします。
地面に直接スイカの果実が当ると病気や害虫発生の原因にもなりますから、果実の下にわらを敷きなおしたり、地這栽培果実用マットを敷きます。
収穫
大玉は開花から40〜45日前後、小玉は30〜35日前後が収穫の目安ですが、種袋や苗に書いてある日数を守ることをおすすめします。
開花日ラベルがない時の収穫の目安
- 果実を叩くとベンベンと低くて鈍い音がする。
- 果実根元の巻きひげが半分くらい枯れる。
病害虫
- つる割病
- つる枯病
- アブラムシ
- ハダニ
- ウリハムシ
病気は、つる割病、つる枯病などが発生します。つる割病が発生したら、治すことができないので抜き取って処分します。
害虫はアブラムシ、ハダニ、ウリハムシなどが発生します。
夏の風物詩「スイカ!」、スイカを育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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