サツマイモといえば美味しさと栄養価の高さが魅力。スイーツのように甘く、それでいて食物繊維などの栄養素が豊富。疲労回復や美肌づくりに効果的なビタミンC、切った時にでる白い液はサツマイモだけにしか含まれないヤラピンという成分で胃の粘膜を保護し腸のぜん動運動を促進したりする働きがあります。また皮には抗酸化作用をもつアントシアニンが多く含まれているのでよく洗って皮ごと食べるのがおすすめです。そんなサツマイモの栽培方法、育て方のコツを紹介します。
苗の準備
植え付け適期に、ホームセンターや種苗店などで販売されます。茎が太くてしなやかで、節間が短くがっしり締まって、葉色が濃いものを選びましょう。
土づくり
サツマイモの好適土壌pHは5.5~6.0です。
サツマイモは、水はけのよいやせた土地を好みます。前に育てた作物への肥料分、特に窒素過多により、「つるボケ」という葉ばかり茂ってイモが肥大しない現象が起きやすいです。
作物を育てていた場所では、苦土石灰・肥料を施さず育てるとよいでしょう。
- 植え付け1週間前に土をよく耕し畝を立てます。
マルチを張っておくと地温確保や雑草抑制になり、後々の管理が楽になります。
畝幅 50cm程度 通気性に富んだ乾燥した土を好むため、高さ20〜30cmの高畝にします。
株間 30cm程度
(全く作物を育てていない場所で栽培をする場合)
- 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 種まき1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり0.5kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり30g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。
植え付け
- 株間30cmの間隔を取って、マルチに穴を開けます。
- 深さ10cmほどの植え穴を掘り、苗を斜めに寝かせて置き、茎の部分に土をかぶせて植え付けます。
切り口に近い2~3節が、根がもっとも塊根(イモ)をつけやすいので、必ず2~3節は土に埋まるように植え付けます。各節の葉は葉身を必ず外に出すように植え付けましょう。
苗を寝かせる方向は畝と平行にします。畝と直角に植えると通路に広がっていき、作業が大変になります。
土が乾燥しているときは、植え付け後にたっぷりと水を与えます。
水やり
サツマイモは乾燥に強い植物です。植え付けから1週間は、水を与えて根の生長を促します。その後は、自然に降る雨だけでも十分です。
追肥
基本的には追肥の必要はありません。
つる返し
株が成長しツルが伸びて地面につくと、そこから根を出してイモを作ろうとします。そうすると養分が分散されイモの太りが悪くなります。植え付けた部分のイモだけを肥大させるために、つる返しをしましょう。地面に根を張ったツルを持ち上げて、裏返し葉の上に乗せます。つる返しは、根を出したツルを見つける度に行いましょう。
収穫
植え付け後110〜120日程度で収穫のタイミングです。
収穫が早すぎると食味が悪く、遅すぎると芋は大きくなりますが色や形が悪くなります。 収穫適期を逃さないようにしましょう。霜にあたったサツマイモは保存性が悪くなので、霜が降りる前に収穫を済ませましょう。
午後いっぱい掘った芋を干して乾かすため、晴れた日の午前中に収穫を行いましょう。株元でツルを切り、マルチをめくります。芋を傷つけないように株元から30cmほど離れた場所にスコップを差し込んで土を掘り起こし、周囲を手で探ってサツマイモを収穫しましょう。
追熟
収穫から2〜3週間ほど置いて追熟させると、デンプンが果糖などの糖類に変化して甘くなります。寒さに弱いので、冷蔵庫で保存はしないでください。
貯蔵に適した温度は13~15℃、湿度は90%で、新聞紙などに包んで断熱効果がある発泡スチロール製の箱などに入れておくとよいでしょう。収穫した後も呼吸をしているので、蓋に息抜き用の空気穴をあけておきましょう。
病害虫
- 立枯病(たちがれびょう)
- つる割病
- サツマイモネコブセンチュウ
- ハスモンヨトウ
病気は立枯病やつる割病などが発生します。
害虫はサツマイモネコブセンチュウ、ハスモンヨトウなどが発生します。
腸内美人の味方!サツマイモを育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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