サトイモの歴史はとても古く、縄文時代から栽培されていたといわれています。江戸時代頃までは、いもの主役といえばサトイモだったそうです。親いもと、その周りにつく子いも、さらにその周りには孫いもがつく根のつき方から、「子孫繁栄の象徴」として縁起のよい食材とされ、お正月料理にもよく使われています。サトイモの主成分は炭水化物ですが、高血圧に効果があるとされるカリウム、疲労回復や美肌づくりに効果的なビタミンCなどの栄養成分も含まれています。そんなサトイモの栽培方法、育て方のコツを紹介します。
種芋
植え付け適期に、ホームセンターや種苗店などで販売されます。種芋はふっくらとして形が良く、芽が傷んでないものを選びましょう。カビや傷のあるものは避けるようにします。子イモ用、親イモ用、茎用など色々な品種があります。
催芽(芽出し)
種芋をそのまま畑に植え付けてもいいのですが、種イモの芽を出させておくと成功率が上がります。芽が出ないで腐ってしまうのを防ぐ、成長が揃うので管理しやすい、イモの太りが良くなるなどのメリットがあります。
プランターや黒ポットに種芋を仮植えし、ビニールハウスなどの暖かい場所に置き育てます。土が乾いたら水やりします。
土づくり
サトイモの好適土壌pHは6.0~6.5です。
- 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 種まき1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり2~3kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり100~150g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。マルチを張っておくと初期生育を旺盛にし、雑草の管理が楽になります。
畝幅 70cm程度
植え付け
株間 30~40cm程度
種芋をひとつずつにばらし、芽を上に向けて深さ10cmほどのところに植え付けます。
水やり
サトイモは乾燥に弱いので、土が乾いたらたっぷり水を与えます。
芽かき
植え付け1か月ほど経った頃、芽が2つ以上出てきている場合は、勢いのある方を残して根元から抜き取ってしまいます。種芋ごと引き抜かないようにしましょう。芽かきをすることで株が充実します。
芽かきは1回のみにし、この後から出る芽は新しく生まれた子芋の芽なのでそのまま置いておきます。
追肥・土寄せ
サトイモの品質を大きく変える重要な作業です。
マルチを外してしまって通路や畝の肩の土をサトイモの根本に被せます。
- 1回目 追肥・土寄せ
5月下旬~6月中旬 本葉が開いて勢いよく伸び始めた頃
畝の片側の裾に肥料を施し(普通化成肥料を1㎡あたり20~30g程度)、+5cm程度の高さまで畝の両側から土寄せします。
- 2回目 追肥・土寄せ
6月下旬~7月中旬
畝の片側(1回目と反対)の裾に肥料を施し(普通化成肥料を1㎡あたり20~30g程度)、+8cm程度の高さまで畝の両側から土寄せします。
- 3回目 追肥・土寄せ
2回目の土寄せから2〜3週間後
畝の片側(2回目と反対)の裾に肥料を施し(普通化成肥料を1㎡あたり20~30g程度)、+8cm程度の高さまで畝の両側から土寄せします。
収穫
品種によりますが、10~11月が収穫適期です。地ぎわで茎を切り取り、イモを傷つけないよう注意しながら掘り上げましょう。
貯蔵
堀った土の中にもみ殻を敷き詰める。小イモをつけたままもみ殻の中に入れ、光や雨が流れ込まないようにビニールをかぶせておきましょう。こうすることで翌年の植え付け時期まで保存することができ次の種芋に利用することもできます。
病害虫
- アブラムシ
- ハスモンヨトウ
サトイモは病害虫の非常に少ない、無農薬でも栽培しやすい作物です。
どっさり採れて作りがいがある野菜。サトイモを育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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