夏野菜の代表格のひとつ、ナス。体を冷やす効果があるので、夏の暑い時期にはぴったりの野菜です。9割は水分ですので低カロリーでダイエットには適しています。ほかの野菜に比べてずば抜けて栄養豊富とはいえませんが、ポリフェノールの一種であるナスニンは、高血圧や脂質異常症、血管のトラブル予防効果があります。便通を整える食物繊維、高血圧に効果があるとされるカリウム、妊娠初期の女性にはとても大切な葉酸などの栄養素を摂ることができます。そんなナスの栽培方法、育て方のコツを紹介します。
種から育てると育苗期間が長く、手間と時間を考えれば一般家庭の菜園で育てる分は、市販の苗を購入して育てる方がよいでしょう。連作障害に強い接木苗のものがおすすめです。今回の解説も種まき部分を省略して市販の苗を購入して育てる解説です。
土づくり
ナスの好適土壌pHは6.0~6.5です。
- 定植2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 定植1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり3kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり100~150g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。マルチを張っておくと雑草抑制になり、後々の管理が楽になります。
畝幅 70cm程度
株間 50~60cm程度
定植
- 苗鉢にたっぷり水を与える。
- 深植えにならないよう株元が少し高くなるくらいに植えつける。
- 定植後たっぷり水を与える。
定植と同時に仮支柱を立て、風で茎が倒れるのを防ぎましょう。
この時期の天敵アブラムシ対策として浸透移行性殺虫剤(オルトランなど)を土にまくと、植物に吸収され、植物全体を害虫から守る予防的効果が約1ヵ月続きます。
水やり
ナスは水で作ると言われるように水を多く必要とします。土の表面が乾燥してきら十分に水を与えましょう。株が成長して果実がついてきた頃からは、特に大量の水が必要となるため水切れに注意が必要です。
追肥
ナスは、とても肥料を好む野菜です。
- 1回目 定植後約3週間後
- 2回目~ 最初の追肥から約2週間に1回の頻度で追肥します。
普通化成肥料を1株あたり30~50g程度、葉が広がった先よりも少し先の方に施します。根の広がりは葉の広がりとだいたい同じくらいと言われています。葉の先を目安に肥料を施します。マルチをしている場合、マルチをめくるか穴を開けて畝の中に肥料を入れます。
整枝
1番花の下から勢いよく出た側枝を2本残し、主枝と側枝2本の3本仕立てにします。
それ以外のわき芽は切り取ります。葉が混み合ってきたら、古くなった葉や枯れた葉はこまめに取り除きましょう。
支柱立て
主枝1本と側枝2本合わせて3本仕立てにしますので、支柱も3本使用します。真ん中に1本、側枝用に2本を斜めに交差させて支柱を立て、主枝・側枝それぞれを支柱に誘引しひもなどで固定します。
収穫
収穫のタイミングは、長さ12cm〜15cmが目安です。ヘタの上の部分をハサミで切って収穫します。
野菜は朝から夕方にかけて光合成を行って作った養分を、夕方から夜間にかけて果実に送るので、朝方に収穫するのがおすすめです。
剪定
ナスの収穫と剪定作業は常に並行して行います。
3本仕立ての場合、3本の主枝はずっと真っすぐ伸ばして誘引していき、7月中旬頃に摘心します(主枝の先端を切る)。
3本の主枝からは次々と側枝(脇芽)がでて、そこに実がつきます。
- 側枝に花が付いたら一つ上の葉を残して摘心。
- 脇芽は付け根に近いものを残して他は摘み取る。
- 側枝の実を収穫したら枝を切る。
- 残した脇芽を側枝にする。
上記の作業を、切り戻しといいます。
この作業を繰り返すことで、同じ場所で何度もナスを収穫し続けることができます。更新剪定という、木全体を短く切り詰めて回復させる作業も必要ありません。
切り戻し作業の方法はYouTubeでたくさん動画が出てきますので一度検索してみてください。しかしいざ自分の畑で作業をしようとすると、どこを切ればいいのか迷ってしまいます。失敗しながら経験していくしかなさそうです。頑張ってチャレンジしてください。
病害虫
- 青枯病(あおがれびょう)
- アブラムシ
- アザミウマ
- ダニ類
病気は、青枯病などが発生します。
害虫はアブラムシ、アザミウマ、ダニ類ばどが発生します。
炒め物、揚げ物、カレー、おひたし、漬物など家庭料理には欠かせない野菜、ナスを育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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