みずみずしくシャキッとした食感や独特な風味、サラダや漬物など日々の食卓には欠かせないキュウリ。キュウリは約95%が水分で「栄養がない」と思われていますが、水分が多いため体温を下げる効果があり、高血圧の予防やむくみを解消してくれるカリウム、免疫力を高めたり美肌作りに貢献したりするビタミンC、便秘解消に効果が期待できる食物繊維などの栄養素を含んでいます。まさに夏野菜の代表であるキュウリの魅力です。そんなキュウリの栽培方法、育て方のコツを紹介します。
種まき
- ポット(9~12cm程度)に3粒ずつ1cmの深さに種をまきます。
- 覆土して軽く土を手で押さえ、たっぷりと水を与えます。
用土は市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに使えるので便利です。
育苗
- 双葉が出始めた頃、間引いて2本立ちにします。
- 本葉が出始めた頃、間引いて1本立ちにします。
- 本葉は3~4枚の苗に仕上げます。
充分日光に当てるが、高温になりすぎないよう換気に注意しましょう。
土づくり
キュウリの好適土壌pHは6.0~6.5です。
- 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 種まき1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり2~3kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり200g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。
マルチを張っておくと地温確保や雑草抑制になり、後々の管理が楽になります。また乾燥や泥はねを防ぎます。
畝幅 1列の場合90cm程度、2列の場合120cm程度
条間(列の間) 60cm程度
株間 50~60cm程度
定植
本葉が4~5枚の頃、定植の適期です。根鉢を崩さないようポットから抜き取り、深植えを避けてうね面と同じ高さになるよう植え付けます。その後たっぷりと水を与えましょう。
風で倒れないように、仮支柱を立てて誘引しておきます。
支柱立て
定植したらすぐに支柱を立てましょう。植え付けてしばらくすると、細いつるが伸び始めます。
直立型や合掌型などがありますが、株数が少ない場合は直立型でいいと思います。支柱は2m程度のものを準備して、手の届く高さに調整して組みましょう。あまり高くすると収穫の時に苦労します。キュウリネットを使用すると誘引作業が楽です。強い風が吹いた時に支柱が倒れないように、両側の支柱をしっかりと補強しておきましょう。
水やり
きゅうりは水が大好きです。90%以上が水分なので当然ですよね。
土の表面が乾いてきたら水をたっぷりと与えましょう。キュウリは水分が少ないとつるがらせん状に巻いてくるのでつる先を良く観察してください。最盛期に毎日、1株3~4リットルもの水が必要といわれています。水切れを起こさないように注意し、乾燥しやすい真夏は朝と夕方の2回水やりをするようにします。
整枝
親づるが伸びるに従いネットなどに固定しますが、株元から5節までの脇芽、雌花は摘芯し取り除きます。それより上にある脇芽は、子づるとして伸ばし、子づるの2節目で摘芯をするか雌花が着いた次の葉を残して摘芯します。子づる1本につき1~2果が目安です。親づるは手の届く高さいっぱいになったら摘心しましょう。
追肥
- 1回目 植え付けから2週間後
- 2回目~ 2週間に1度ずつ追肥する
畝の肩に肥料を施す(普通化成肥料を1㎡あたり50g程度)。
人工授粉
基本的にはキュウリは人工授粉の必要はありません。
カボチャやスイカなどのウリ科は人工授粉を行う必要がありますが、キュウリは授粉しなくても、
実が大きくなる性質を持っている品種(単為結果性)が多く、人工授粉しなくても実をつけて肥大します。
収穫
開花から約一週間、長さ20cmほどで収穫適期です。収穫が遅れるとたちまち果実が大きくなります。注意しましょう。
病害虫
- うどんこ病
- べと病
- 炭そ病
- ダニ類
- ウリハムシ
- アブラムシ
病気は、ウリ科の宿命、うどんこ病などが発生します。うどんこ病は、葉に白い粉が付着する病気です。
害虫はダニ類、ウリハムシ、アブラムシなどが発生します。
日々の食卓には欠かせない野菜、キュウリを育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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