家庭菜園 トウモロコシの栽培方法、育て方

家庭菜園

プチッと弾ける甘さが魅力のトウモロコシ。含まれる栄養素では糖質が最も多く、野菜の中ではカロリーは高めです。糖質が主成分なので、エネルギー源になります。また粒の皮に多く含まれる不溶性食物繊維は、便秘の予防をはじめとする整腸作用、血糖値の上昇を抑制する効果もあります。ビタミン、ミネラルも豊富に含まれて、食欲のない夏バテ時にもピッタリです。そんなトウモロコシの栽培方法、育て方のコツを紹介します。

気温が高くなったら直まき。気温が低い時期はポットで苗を育てて移植する方法がおすすめです。育苗して定植した後、直播きで種まきをすると、収穫時期をずらせて長期間収穫が楽しめます。

種まき

  • ポット(9~12cm程度)に3粒ずつ1cmの深さに種をまきます。
  • 覆土して軽く土を手で押さえ、たっぷりと水を与えます。

用土は市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに使えるので便利です。

育苗

  • 間引かずに発芽した株は3本とも育てます。
  • 草丈15~20cm程度の苗に仕上げます。

ビニール温室などの暖かい環境で育て、充分日光に当てるが、高温になりすぎないよう換気に注意しましょう。

土づくり

トウモロコシの好適土壌pHは5.5~6.5です。

  • 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
  • 種まき1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり2~3kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり100~150g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。

マルチを張っておくと地温確保や雑草抑制になり、後々の管理が楽になります。また乾燥や泥はねを防ぎます。

畝幅 2列の場合80~90cm程度

条間(列の間) 50cm程度

株間 30cm程度

トウモロコシの花粉は風媒花(風により花粉が運ばれて受精する)で、雄穂の花粉が風で雌穂によくつくためには、1列で長くするよりも2列以上にしてまとまるように植えたほうが、うまく受粉して粒ぞろいが良くなります。

定植

  • ポットをはずし、根を切らないように1本ずつに分ける。
  • 定植後たっぷり水を与える。

同じ畑で違う品種を育てると、それぞれの品種の花粉が受粉し合ってよい実ができないので、1つの品種だけ栽培するようにしましょう。

支柱立て

トウモロコシは草丈が高くなります。強風や台風直撃で倒されることがあるので、支柱を立てて倒されるのを予防してあげましょう。

水やり

乾燥に弱いので土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。特に開花時期と成熟時期には水切れが起こりやすい時期なので注意しましょう。水を切らすと先端まで実がつかなかったり、穂の太りが悪くなります。

わき芽

株元から小さな枝のわき芽(分げつ)が発生してきます。わき芽は基本的には取らずにそのまま伸ばしましょう。根の量を増やし株が倒れにくくなり、葉面積が多くなることから光合成が活発となって実の太りも良くなります。

追肥・土寄せ

  • 1回目 草丈が50cm程度本葉が5枚の頃、雌穂が発生する直前になります。
  • 2回目 株の先端に雄穂が見え始めたころ。

畝の肩か株間に肥料を施す(普通化成肥料を1㎡あたり40g程度)。

マルチを敷いていない場合は、同時に土を株元に寄せます。

摘果

トウモロコシの雌穂は1つの株から2~3本つきますが、雌穂に絹糸(ヒゲ)が出始めた頃に、最も大きい果実一個を残し他の雌穂は全て切り取ってしまいましょう。摘果した小さなトウモロコシはヤングコーンとして美味しく食べることができます。

人工授粉

トウモロコシは、雌穂のヒゲ一本一本がそれぞれ一粒一粒につながっています。しっかりと授粉されないと歯抜けのようなみすぼらしい果実になるので、家庭菜園など株数が少ない場合は人工授粉しておくほうがいいでしょう。同じ株の間では授粉しにくい特徴があるので、雄穂を切り取り雌穂のヒゲにパタパタと花粉をつけてあげましょう。

害虫対策

トウモロコシによく発生する害虫アワノメイガは、先端の雄穂につられてやってきます。雄穂に誘引されて産卵し、幼虫が雌穂について実を食害するので、さっさと人工授粉してすべての雄穂を撤去してしまいましょう。雌穂から出るヒゲが色づき始めたら、受粉完了のサインです。

鳥害対策

雌穂が肥大してきたらカラスなどの鳥が狙ってきまので、肥大を始める前に防鳥ネットや糸を張って、鳥による食害対策をしておきましょう。

収穫

収穫適期は絹糸が出てから20~25日後くらいです。適期収穫を心がけてください。

収穫が早すぎると甘みが不十分で、またとり遅れると粒のしなびや甘みが低下します。

雌穂の絹糸がこげ茶色になった頃、先端の皮をむいて粒の色や大きさを確認して収穫しましょう。収穫後は数時間で甘みが低下します。すぐに食べないなら皮をつけたまま冷蔵庫で保存しましょう。それでも1~2日以内に食べたほうがいいです。

野菜は朝から夕方にかけて光合成を行って作った養分を、夕方から夜間にかけて果実に送るので、朝方に収穫するのがおすすめです。

トウモロコシの収穫方法は、手でしっかりと実を握り下へ折ってもぎ取ります。

病害虫

  • 苗立枯病(なえたちがれびょう)
  • モザイク病
  • アワノメイガ

病気は苗が小さいときは、苗立枯病やモザイク病が発生することがあります。株が大きくなってからは収穫に影響が出るような病気はあまり発生しません。

害虫はトウモロコシの大敵アワノメイガです。

プチッと弾ける甘さが魅力、トウモロコシを育ててみましょう!

上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。

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