夏野菜の代表格、カボチャ。ハロウィン、冬至のイメージがありますが、旬は夏です。煮物、揚げ物、スープなど幅広く料理で使えます。ホクホクして野菜とは思えないほどの甘みのあるカボチャは栄養満点の緑黄色野菜です。抗酸化作用をもつβカロテン、疲労回復や美肌づくりに効果的なビタミンC、エネルギーの代謝を助けるビタミンB1、口内炎やニキビ対策に良いビタミンB2、血行促進や生活習慣病に効果のあるビタミンE、便通を整える食物繊維、高血圧に効果があるとされるカリウム、骨の形成に必要なカルシウムなどの栄養素を摂ることができます。そんなカボチャの栽培方法、育て方のコツを紹介します。
3mほど横につるが伸びるのでかなり広いスペースを必要とします。
種まき
- ポット(9~12cm程度)に2粒ずつ指で1cmの深さに押し込んで種をまきます。
- 軽く土をかけたっぷりと水を与えます。
用土は市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに使えるので便利です。
育苗
- 本葉が出始めた頃、間引いて1本立ちにします。
- 本葉は4~5枚の苗に仕上げます。
暖かい環境で育て、日光には充分当てるが、高温になりすぎないよう換気に注意しましょう。
水やり
畑で栽培するときは、特に水やりは必要ありません。水のやりすぎで常に土が湿った状態になると、病害虫の発生につながるので注意しましょう。ただし雨がふらずに乾燥しているようであれば、水やりをしてあげてください。
土づくり
カボチャの好適土壌pHは5.5~6.5です。
- 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 定植1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり1kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり50g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。マルチを張っておくと雑草抑制になり、後々の管理が楽になります。
畝幅 60cm程度 +2~3mほど横につるが伸びるスペースが必要です。
株間 90cm程度
定植
本葉が4~5枚の頃、定植の適期です。根鉢を崩さないようポットから抜き取り、深植えを避けてうね面と同じ高さになるよう植え付けます。その後たっぷりと水を与えましょう。
敷わら
つるがはう場所には敷きわらをしましょう。土の乾燥や降雨時の泥跳ねを防ぎ、病気予防にもなります。直接地面にはわせると、雑草に埋もれたり、風通しが悪くなり病害虫の被害が多くなります。
整枝
仕立て方は何種類かありますが、わかりやすい「親づる1本仕立て」と収量の多い「子づる2本仕立て」を説明します。
- 親づる1本仕立て 親づる(主枝)をそのまま伸ばし、親づるから出る子づるはすべて摘み取ります。9~15節目に咲いた雌花に人工授粉させると最もよい果実がとれます。ひとつの果実を大きくするために葉は20枚以上必要です。2番目以降も果実を成らせる場合の目安にしましょう。
- 子づる2本仕立て 親づるについている葉が4~5枚になった時点で摘心します。行き場のなくなった養分が子づる(わき芽)に回され、子づるが伸び始めます。力強い子づる2本を見極めて他の子づるは摘み取ります。その2本から発生するつるや雌花は8節までは全て摘み取り、9〜15節に咲いた雌花に着果させます。後は親づる1本仕立てと同じです。
人工授粉
梅雨の頃から花がつきはじめます。花のガクの下に膨らみがあるのが雌花、ないのが雄花です。虫が豊富にいる時期であれば自然に授粉しますが、確実に着果させるために人工授粉させておきます。日が高くなると花がしぼむため、人工授粉は早朝に行うのがポイントです。雄花を取って、雌花の柱頭になぞるように軽く触れさせます。柱頭に花粉を均一に付着させること、強い力で柱頭に押しつけないようにしましょう。
人工授粉した雌花には、ラベルに交配した日を書いてつけておくと、その後の収穫期の見極めに便利です。
追肥
着果した果が「にぎりこぶし大」の大きさになった時が追肥の適期です。
株元から40~50cm程度はなれた所に肥料を散布する(普通化成肥料を1株あたり20~30g程度)。
玉直し
果実が大きくなってきたら果実の下に地這栽培果実用マットを敷きます。まんべんなく日光を当てることできれいに色づきます。ペットボトルの底を切って利用することもできます。見た目だけで食味に変わりはありませんが、せっかくならきれいに作りたいですよね。
収穫
人工授粉してから45〜50日頃から収穫できます。果梗(首の部分)が茶色くコルク化してくれば収穫適期です。果梗をハサミで切って収穫します。
収穫したら風通しの良い日陰に7~10日間置いて、ヘタの切り口を乾かしましょう。貯蔵できる品種は1ヶ月以上たってから食べると甘みが増します。
病害虫
- うどんこ病
- アブラムシ
- ウリハムシ
病気は、ウリ科の宿命、うどんこ病などが発生します。うどんこ病は、葉に白い粉が付着する病気です。
害虫はアブラムシなどが発生します。
旬は夏!栄養満点の緑黄色野菜、カボチャを育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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