夏野菜の代表格、ズッキーニ。みずみずしくて独特の歯ごたえが魅力です。見た目はキュウリに似ていますが、実はズッキーニはかぼちゃの仲間で、別名をつるなしカボチャと言います。夏野菜のズッキーニには夏に必要な栄養素がきちんと含まれています。暑くて疲れやすい夏に体の回復を助け、強い紫外線で傷んだ皮膚を修復する効果が期待できるビタミンC。体温を下げる作用があるため、熱中症対策にも効果を発揮してくれるカリウムを含んでいます。そんなズッキーニの栽培方法、育て方のコツを紹介します。
種まき
- ポット(9~12cm程度)に2粒ずつ指で1cmの深さに押し込んで種をまきます。
- たっぷりと水を与えます。
用土は市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに使えるので便利です。
育苗
- 本葉が出始めた頃、間引いて1本立ちにします。
- 本葉は4~5枚の苗に仕上げます。
暖かい環境で育て、日光には充分当てるが、高温になりすぎないよう換気に注意しましょう。
水やり
根が浅いところにはり、乾燥しやすい野菜です。植え付けてから2週間は土が乾かないよう水やりをしましょう。その後は、土の表面が乾いてきたら水を与えてください。乾燥しやすい真夏は、朝と夕方の2回水やりをするようにします。
土づくり
ツルは伸びませんが大型の葉が広がるので、栽培には広い面積が必要です。
ズッキーニの好適土壌pHは6.0~6.5です。
- 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 種まき1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり2kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり50g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。
マルチを張っておくと雑草抑制になり、後々の管理が楽になります。ズッキーニは根が浅いので、植え付け直後は土が乾き過ぎないように、マルチを張って乾燥と泥はねを防ぎます。
畝幅 90cm程度
株間 90cm程度
定植
本葉が4~5枚の頃、定植の適期です。根鉢を崩さないようポットから抜き取り、深植えを避けてうね面と同じ高さになるよう植え付けます。その後たっぷりと水を与えましょう。
支柱立て
ズッキーニは浅根性で、強風により倒れやすいのが難点です。風で茎が折れたり、株が振り回されないように、2か所くらいに支柱を立てて固定します。つるなしのため特に整枝する必要はありません。古い葉や病葉を除去し、風通しと採光性をよくして病気の発生を抑えます。
追肥
- 1回目 植え付けから2週間後
- 2回目~ 2週間に1度ずつ追肥する
畝の肩に肥料を施す(普通化成肥料を1株あたり30g程度)。
人工授粉
雌花が咲いたら、受粉させます。花のガクの下に膨らみがあるのが雌花、ないのが雄花です。虫が豊富にいる時期であれば授粉作業をしなくても収穫することは可能ですが、確実に着果させるために人工授粉させておきます。雌花は早朝の短い時間にしか咲かないため、人工授粉は早朝に行うのがポイントです。雄花を取って、雌花の柱頭にこすりつけて受粉させます。
収穫
開花後、4~6日、長さ20cmほどで収穫適期です。果梗からハサミで切り取って収穫します。気温が高いと肥大も早いので注意が必要です。収穫が遅れるとたちまち果実が大きくなります。果実が大きくなると、味が落ちるだけではなく、株に負担がかかるので注意します。
収穫が終わった果実より下の葉は、切り落として風通しをよくしてやります。日当たりが良くなり株も長持ちし、すっきりして収穫もしやすくなります。
病害虫
- うどんこ病
- 軟腐病(なんぷびょう)
- アブラムシ
- ウリハムシ
病気は、ウリ科の宿命、うどんこ病などが発生します。うどんこ病は、葉に白い粉が付着する病気です。
害虫はアブラムシです。ズッキーニはアブラムシの好物です。大量発生すると手が付けられません。病害も元をたどればアブラムシを媒介として侵入するので、アブラムシ対策は非常に重要です。生育初期は寒冷紗による被覆が効果的です。
イタリア料理でおなじみの野菜、ズッキーニを育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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