ソラマメは、豆のさやが空に向かって実るのでそう名付けられたと言われています。形も愛らしく、味も美味しいソラマメですが、実は栄養分の塊のような食材です。その為、若返りの野菜なんて呼ばれていたりします。炭水化物(糖質)・タンパク質・脂肪と栄養の3要素が入っています。また疲労回復効果が期待出来るビタミンB1、成長促進に欠かせないビタミンB2、高血圧に効果があるとされるカリウム、便通を整える食物繊維と栄養成分が豊富です。そんなソラマメの栽培方法、育て方のコツを紹介します。
種まき
- ポット(7cm程度)に1粒ずつ種をまきます。
- 種の黒いすじの入ったおはぐろと呼ばれる部分を斜め下方に向けて土に押し込み、種の頭部がわずかに見えるくらいに浅まきにします。
- たっぷりと水を与えます。
用土は市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに使えるので便利です。
直まきもできますが、種まき直後に、鳥による食害が多いのでポットを利用して苗を作るほうが安心です。
育苗
日光には充分当てるが、高温になりすぎないよう換気に注意しましょう。
- 種まき後5~7日で発芽します。
- 本葉は2~3枚の苗に仕上げます。
定植が遅れると植え傷みしやすいです。越冬する時の本葉数が5枚以上になると耐寒性が弱くなり、寒害を受けやすくなるので注意しましょう。
水やり
ソラマメは多湿を嫌いますので、水やりは土が乾いてから行いましょう。冬場は乾燥気味で大丈夫です。種をまいた時と開花期間はたっぷりと水分を与えますが、それ以外の時期は乾燥気味にしましょう。
畑で育てている場合は、自然の雨だけでも育ちます。
土づくり
ソラマメは連作障害が出やすいので、最低3~4年間ソラマメや他のマメ類を栽培したことのない場所を選びます。
ソラマメの好適土壌pHは6.0~6.5です。
- 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 種まき1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり2kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり50g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。
シルバーマルチを張っておくとアブラムシの飛来防止になります 。
畝幅 60cm程度
株間 40~45cm程度
定植
本葉が2~3枚の頃、定植の適期です。根鉢を崩さないようポットから抜き取り、深植えを避けてうね面と同じ高さになるよう植え付けます。その後たっぷりと水を与えましょう。
越冬
小さい苗の状態で冬越しさせるようにます。
真冬に苗が大きく育っていたり、寒さが厳しい場合は、防寒対策として株元にわらやもみ殻をまき、トンネル支柱に白の寒冷紗をかけて保温します。
整枝
ソラマメは1株から10本以上の枝(わき芽)が発生してきます。
春になりそれらの枝(わき芽)が伸び始める前に、はじめに伸びている親枝を取り除きます。
側枝が20~30cm程度に伸び始めてきたら、成長の良い側枝を5~7本程度残して、他は摘み取ります。放任しておくと倒れやすくなるので、分岐部が隠れるように株元に土寄せをしておきます。
追肥・中耕・土寄せ
- 側枝を5~7本程度残して他は摘み取った時 追肥・中耕・土寄せ
株元に肥料を施し(普通化成肥料を1㎡あたり25g程度)、除草をかねて土を中耕(表面を軽く耕す)、株元に土寄せをし株を安定させます。土の中に空気が送り込まれ、排水性もよくなり、生育が促されます。
倒伏防止
春になり草丈が伸びてきたら、風などによる倒伏を防ぐために、成長に合わせて株を囲うような形で支柱を立ててテープやひもを張ります。
摘心
養分が花や実に回るようにするために、草丈が70cm〜80cm程になったら茎の先端(成長点)を刈り取っておきます。
収穫
上を向いていたさやが下に垂れてきて、背筋が黒褐色になり、光沢が出てきた頃が収穫適期です。
ハサミで切って収穫し、収穫後は鮮度が落ちやすいので、早めに調理して食べるようにしましょう。
病害虫
- モザイク病
- アブラムシ
病気は、モザイク病が発生しやすいです。
ソラマメ栽培で最も気をつけなくてはならないのがアブラムシです。野菜の中でもアブラムシの発生がもっとも多い作物の一つです。病害も、元をたどればアブラムシを媒介として侵入するものばかりですので、アブラムシ対策は非常に重要です。植え付け後の生育後すぐと、4月以降の収穫直前がアブラムシ発生時期です。アブラムシ防除用のマルチを用いて、また発芽や植えつけ後にアブラムシ防除用の農薬を適切に使用するのも効果的です。
若返りの野菜、ソラマメを育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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