春菊は緑黄色野菜ではトップクラスの栄養成分があります。抗酸化作用をもつβカロテン、疲労回復や美肌づくりに効果的なビタミンC、骨の形成に必要なカルシウム、貧血予防に役立つ鉄分、妊娠初期の女性にはとても大切な葉酸などがたっぷり含まれています。また、春菊独特の香り成分はペリルアルデヒドといい、免疫力を高めたり、胃腸の調子を整え、咳を鎮める効果もあります。そんな春菊の栽培方法、育て方のコツを紹介します。
春まきと秋まきができますが、冷涼な気候を好むので、初心者には秋まきがおすすめです。
春菊は葉の大きさによって大葉種・中葉種・小葉種の3種類に分けられます。もっとも多く栽培されているのが中葉種で、大きく分けて二つのタイプがあります。
- 株張り型 株元から側枝がたくさん出て株ごと収穫向き
- 株立ち型 茎が伸びやすく摘み取り収穫に向く
土づくり
春菊の好適土壌pHは6.0~6.5です。
- 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 種まき1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり2~3kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり100g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。
畝幅 60cm程度 4列の場合
条間(列の間) 15cm程度
種まき
- 15cm間隔でまき溝をつける(幅2~3cm、深さ1cmほどの溝)。
- 種を1cm間隔で条まき(すじまき)。条まきとは種まきの方法の一つで、土に直線の溝を付けその溝に沿って種を蒔くこと。
- 種がわずかに見える程度に覆土して手で押さえる。
- 種が流れてしまわないように気を付けてたっぷりと水やりをする。
水やり
種まきから5日~7日ほどで発芽します。発芽するまでは土が乾燥しないように気をつけて水やりをしましょう。発芽後は土の表面が乾いた頃に水やりをします。
間引き
株ごと収穫型品種
- 1回目 本葉1〜2枚のとき、株間3cmに間引き
- 2回目 本葉3〜4枚のとき、株間6cmに間引き
摘み取り型品種
- 1回目 本葉1〜2枚のとき、株間3cmに間引き
- 2回目 本葉3〜4枚のとき、株間6cmに間引き
- 3回目 本葉7〜8枚のとき、株間15cmに間引き
間引き菜はサラダなどで、ぜひ食べてみてください。
追肥・中耕・土寄せ
株ごと収穫型品種
- 2回目の間引きの後 追肥・中耕・土寄せ
摘み取り型品種
- 2回目の間引きの後追肥・中耕・土寄せ
- 3回目の間引きの後追肥・中耕・土寄せ
- その後収穫中は2週間に1度追肥・中耕・土寄せ
条間に肥料を施し(普通化成肥料を1㎡あたり30g程度)、除草をかねて土を中耕(表面を軽く耕す)、株元に土寄せをし株を安定させます。土の中に空気が送り込まれ、排水性もよくなり、生育が促されます。
防寒
春菊は0℃近くになると生育が衰えるので、冬季の間は不織布のベタ掛けやトンネル栽培で防寒対策をしましょう。
収穫
株ごと収穫型品種
- 本葉7~8枚、草丈20cmほどになったら根をつけたまま収穫し後で株元を切ります。
摘み取り型品種
- 草丈20cmほどになったら、下の葉4〜5枚を残して上の葉を摘み取ります。わき芽が伸びてきたら下葉を2枚ほど残して摘み取ります。この方法で収穫を繰り返します。
病害虫
- べと病
- 炭そ病
- アブラムシ
- ヨトウムシ
病気の発生は少ない方ですが、べと病、炭そ病は湿度が高い時に発生しやすいです。
害虫では、春はアブラムシが秋はヨトウムシなどが発生しやすいので早めの防除をしましょう。
薬剤散布したら間引き菜は食用にはしないでください。
緑黄色野菜ではトップクラスの栄養成分が含まれている野菜、春菊を育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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