シャキッとした歯ごたえが魅力のスナップエンドウ。どんな調理法とも相性抜群な上に、栄養が豊富に含まれています。抗酸化作用のあるビタミンC、便通を整える食物繊維、健康な骨や歯を形成するカルシウム。そんなエンドウの栽培方法、育て方のコツを紹介します。
エンドウは、さやの形状や食べ方によっていくつかの種類に分類されています。スナップエンドウ(豆とサヤの両方を食べます)キヌサヤ(さやを食べます)グリーンピース(豆を食べます)は代表的な3つのタイプのエンドウです。
冷涼な気候を好み、耐寒性が強いので秋まき春採り栽培が一般的です。株が大きくなると耐寒性が失われてきますので、小さな苗の状態で越冬させることで、寒い間に根を十分に張り春先から地上部が生長します。
土づくり
マメ科の中でもエンドウは連作すると病気が出やすいので、最低3~4年間エンドウや他のマメ類を栽培したことのない場所を選びます。
酸性土壌に特に弱いので、必ず苦土石灰を施し好適土壌に調整します。
エンドウの好適土壌pHは6.5~7.0です。
- 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 種まき1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり2kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり50g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。マルチを張っておくと雑草抑制になり、後々の管理が楽になります 。
畝幅 1列の場合120cm程度 1列(1条)が基本です。
株間 30cm程度
種まき
1穴、直径5cm深さ2cmに3~4粒まきます。土を被せて軽く押して鎮圧し、たっぷりと水をやります。
本葉が2~3枚ほどの時に込み合っているところや生育のよいものを1~2本残して間引きます。苗を2本残して競合させた方が、根張り・実りがよくなるとも言われています。
定植
エンドウは種まき後から発芽までの間、鳥による被害が多いので、ポットを使い育苗してから畑に植え付けることもできます。育苗期間が1カ月程度なので6~9cmポットを使い、3〜4粒ずつ種をまき、本葉が2~3枚の頃に間引いて1~2本にします。大きくなってから定植すると活着が悪くなるので、本葉3〜4枚ぐらいになったら定植します。
越冬
草丈が10~15cmほどで越冬させます。本葉2〜3枚ごろが最も耐寒性が強く、幼苗は-4℃ぐらいの低温に耐えることができますが、越冬時に株が大きくなっていると寒害を受けやすくなります。
防寒対策として株元にわらやもみ殻をまき霜よけをします。トンネル支柱に白の寒冷紗をかけるのも効果的です。
支柱立て、誘引
本葉4~5枚になりつるが発生するようになったら、 園芸用の支柱を立ててネットを張ります。高さ1.8m程度。枝が込んできたら茎葉に十分光が当たるように、ふところの枝を適宜整枝します。
追肥
1回目は春になりつるが伸び始めた頃、普通化成肥料を1㎡あたり30~50gを株の周りにまきます。
2回目は花が咲き始めた頃 、普通化成肥料を1㎡あたり30~50gを株の周りにまきます 。
3回目はさやが成り始めた頃 、普通化成肥料を1㎡あたり30~50gを株の周りにまきます 。
水やり
しっかり根付くまでは水をたっぷりと与えますが、根付いてからは雨水だけにしましょう。開花後は乾燥させないよう、雨が降らないときは水を与えます。この時期に乾燥すると、おいしいさやができません。
収穫
花の後には小さな実がつきます。種類に応じた適期に収穫します。
スナップエンドウ(実が充実し、さやが緑色をしている時)
キヌサヤ(さやが硬くなる前、実のふくらみがわずかに見えるようになった時)
グリンピース(さやの表にしわがよってきた時)
病害虫
- うどんこ病
- アブラムシ
- ハモグリバエ
収穫期後半のうどんこ病の発生をできるだけ抑えるためには、つるが込んできたら整枝して風通しをよくし、高温乾燥時には生長が衰えないように水を切らさないよう水やりしましょう。
害虫はウイルスを媒介するアブラムシを早期駆除します。
鮮やかな緑色で料理に彩りを添えてくれるエンドウを育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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