12月になると、お正月を迎える準備が気になりだします。何かと慌ただしい時期ですが、そもそもなぜ年末にするようになったのか?当然新しい年を迎える準備なのですが、その由来も気になりませんか?ここではそんな年末までにしておきたいこと、その由来を紹介します。
大掃除
「今年の汚れ、今年のうちに」
大掃除は1年間の家の汚れをすっきりと落として気持ちよく新年を迎えるため、と考えている人は多いと思いますが、もともと大掃除というのは新年にお正月の神様である歳神様(としがみさま)を迎える準備をする神事でした。
大掃除の始まりは平安時代で、12月の宮中で欠かせない行事だった「煤払い(すすはらい)」が由来と言われています。12月に1年間の間に積もった煤を払い、お正月の神様をお迎えするという行事が行われていました。
江戸時代になると、徳川幕府が12月13日を「煤納め」と定め、江戸城で煤払いが行われるようになり、それが一般に広がったと言われています。この煤払いが現在の大掃除へと変わっていきました。
神様をお迎えするという大切な意味合いが「大掃除」にはあったと分かると、今年は少し頑張って掃除しようという気になりませんか?
年賀状
国民行事の年賀状。
しかし師走の忙しい最中に年賀状を書くのは少し面倒だなと考える人も多いと思います。インターネットの普及もあり、平成9年の37億通をピークに年賀状は減少傾向にあります。
年賀状の始まりは大掃除と同じ平安時代とされています。平安時代の貴族、藤原明衡がまとめた手紙の文例集の中に、年始の挨拶の文例があり、これが残っている最も古いものです。
平安時代には新年に年上の方やお世話になった方のお宅を訪ねて挨拶をする「年始回り」という習慣が広まりました。しかし全ての家に挨拶に出向くのは不可能なため、その代わりとしたのが年賀状です。
1873年(明治6年)に登場した官製はがきによって、現在のようなはがきスタイルになりました。
正月飾り
正月飾りは、初日の出のタイミングでやってくる歳神様(としがみさま)を迎えるための目印として門や玄関に飾ります。神様が正月飾りを目印にやってきて、そこに宿ります。
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正月飾りはいつからいつまで? は下記についてまとめています。
- いつから飾り始めるの?
- いつまでに片付けるの?
- 門松
- しめ飾り(注連飾り)
- 鏡餅
- それぞれの意味
おせち料理
お正月は、歳神様を迎えるための行事で、その際に神様をおもてなしするのがおせち料理です。新年にいらっしゃる歳神様へお供えし、年が明けてから神様のお下がりとしていただく料理です。
おせち料理の由来は、節日・節句からきています。季節の変わり目に無病息災・豊作・子孫繁栄などを願って、お供えものをしたり邪気払いを行ったりする行事のことをいいます。
1月1日の元旦、3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句などを祝うために神様にお供えした食べ物を御節供(おせちく)と呼び、これがおせち料理のルーツです。
現在は節日・節句の中でも、一年の始まりであるお正月に食べる料理を「おせち料理」と呼ぶようになりました。神様を迎える時期に炊事などで騒がしくしてはいけない、買い物や料理などの家事もお休みにするといった意味も込め、保存が効く料理が中心になったとも言われています。
年越しそば
年越しそばは、江戸時代後期には存在していたようです。その由来については様々な説があります。
- そばが細く長いことから「延命・長寿を願った」
- そばが切れやすいことから「今年の苦労や不運を綺麗に切り捨て、新しい年を幸運で迎えられるように」
- 昔の金銀細工師は、細工で散らかった金や銀を集めるために蕎麦粉を使ったことから、金や銀を集める「金運があがる」
- 鎌倉時代、承天寺でふるまった「世直しそば」(年の瀬を越せない人々にそば餅をふるまったところ、翌年からみんな運が向いてきた。)から。
- そばは風雨にさらされても、日光を浴びると再び元気になることから、健康の縁起を担ぎ「来年も無病息災でありますように」
また中に入っている具にも、エビ天は「長寿」、油揚げは「商売繁盛」、薬味のネギは心を和らげる「労ぐ(ねぐ)」などの意味があります。
除夜の鐘(じょやのかね)
除夜の鐘は、大晦日の夜に各地のお寺の鐘(梵鐘 ぼんしょう)をつく日本仏教の行事の一つです。
除夜とは大晦日の夜のことを指し、大晦日から元旦にかけての深夜0時を挟んでつかれます。108回の鐘をつくお寺では、大晦日のうちに107回までをつき、新しい年になってから最後の1回をつくところが多いようです。
煩悩は一人の人間につき108個あると言われていて、108個ある煩悩を鐘が一つ鳴るごとに一つ消して、来年は幸せな一年を過ごしたいという願いが込められています。
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