油で炒める香りだけで食欲をそそるにんにく。スタミナのつく香味野菜です。においの元であるアリシンには疲労回復・滋養強壮効果などがあります。そんなにんにくの栽培方法、育て方のコツを紹介します。
土づくり
にんにくの好適土壌pHは5.5~6.0です。
- 種まき2週間以上前に苦土石灰で好適土壌に調整する。土壌酸度計で測定し、pHの数値を1上げるには苦土石灰1㎡あたり200g程度を目安に投入します。
- 種まき1週間前に牛糞堆肥1㎡あたり2kg程度、普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり50g程度を土に混ぜ込んで畝を立てます。マルチを張っておくと雑草抑制になり、後々の管理が楽になります。品種にもよりますが株間が15cmなら、玉ねぎ用の穴あきマルチ株間15cmを使うと穴をあける手間が省けます。
種まき
にんにくは9月下旬~10月の植え付けの時期になるとホームセンターなどで販売されます。地表から5cmくらいの深さに、株間15cm間隔で植え付けます。とんがった方を上向きに、一片ずつ植えます。そのまま植えこんでも問題なく成長しますが、薄皮をむいて植え付ける栽培方法もあります。傷や歪み、干からびたり、カビが生えているものを避け、大きくて形が整ったものを選びます。植え付けた後は、たっぷりと水をやります。
水やり
にんにくは乾燥には強いので、土が乾いたら水をやるようにします。過湿には弱いため水のやり過ぎに注意しましょう。
追肥
秋に植え付けてから、収穫までに2回の追肥を行います。1回目の追肥は12月頃、2回目の追肥は3月頃です。 玉が太っていない、冬を越す前の追肥が将来の玉の肥大に大きく影響します。普通化成肥料8-8-8を1㎡あたり50g程度追肥しましょう。
芽かき
1カ所に芽が2本出てきている株があると思います。脇芽なので短い方を引き抜いておきましょう。
花芽の摘み取り
4〜5月になると、 茎の先端から花芽(花の咲く茎)が伸び出します。そのまま放っておくと、 その養分を花に優先して与えようとしてしまい、肝心の地下部の玉が太らなくなるため、適当な時期に摘み取ります。 手で傾けるだけで簡単に折れます。引き抜いてもスポンと外れてしまいます。外葉と同じくらいの高さになったときに、摘み取りましょう。早すぎると球が分かれてしまい、遅すぎると花芽に栄養が取られてしまいます。摘み取った花芽は「ニンニクの芽」として食べられます。
収穫
にんにくは5月の下旬から6月頃にかけて大きくなり、 熟成するとふたたび休眠に入って生育を止めます。 6月頃、地上部の葉が全体の2/3ほど枯れたら収穫のタイミングです。土が湿っているときに収穫すると保存中の球が傷みやすいので、2〜3日晴天が続いたときに収穫しましょう。
貯蔵
収穫後、2〜3日ほど畑や軒下に重ならないように広げて乾かします。茎が乾燥したら葉と根を切り落とし、3~4個ずつ茎のつけ根をヒモで縛って束ねます。さらに2束ずつヒモで縛って吊るします。その後は日の当たらない涼しく風通しの良い場所であれば長く貯蔵できます 。 乾燥せずに腐るのは収穫時期が早すぎたために、まだ生育期で水分が多く含まれていたのが原因と考えられます。
病害虫
- さび病
- 葉枯病(はがれびょう)
- 白斑葉枯病(はくはんはがれびょう)
- 春腐病(はるぐされびょう)
- 黒腐菌核病(くろぐされきんかくびょう)
- アザミウマ
- ネギアブラムシ
ニンニクの栽培で失敗の原因となるのは、主に病気です。無農薬でもできないことはないでしょうが、育て方に関係なく収穫に至らないケースもあります。 2月頃から菌が増えてきますので、農薬を用いてある程度予防しておきましょう。
にんにく栽培で使用する薬剤
- さび病:ラリー乳剤、オンリーワンフロアブル、アミスターオプティ
- 葉枯病・白斑葉枯病:ダニコール1000、ジマンダイセン水和剤
- 葉枯病:ペンコゼブ水和剤
- 春腐病・白斑葉枯病:Zボルドー、ICボルドー66D
- 春腐病:カセット水和剤、Zボルドー、カッパーシン水和剤
- 黒腐菌核病:ベンレートT水和剤20
スタミナのつく香味野菜。にんにくを育ててみましょう!
上記栽培カレンダー、肥料の数値、株間等は目安としてください。地域や品種、ご自身の畑の土の状態により変化します。 種袋の裏表示 、説明書をご確認ください。
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