モグラの生態

家庭菜園

モグラはミミズやコガネムシの幼虫、ネキリムシやヨトウムシなどを食べる肉食の動物であり、農作物が直接食べられる被害はありません。害虫を食べてくれるのですが、益虫のミミズも食べられます。さらに穴を掘って地中に巣を作ることで、作物の根を切られたり・苗を倒されたり・畑や庭などにボコボコと穴を開けてしまう害獣です。そんなモグラの生態を紹介します。

モグラとは?

モグラは地中で生活をしている哺乳類です。地中深さ30cmから1mのあたりにトンネルや穴を掘って、一生のほとんどを地中で生活します。日本国内では北海道を除く全国に生息しています。日本に生息しているモグラは数種類で、アズマモグラとコウベモグラは代表的な種類です。

  • アズマモグラ 東日本で主に生息
  • コウベモグラ 西日本で主に生息

その他

  • サドモグラ
  • センカクモグラ
  • ミズラモグラ
  • ヒミズ
  • ヒメヒミズ

寿命は?

種によって異なりますが、5年前後です。

体の特徴は?

  • 細長い体で、体長は種によって異なりますが10cm前後です。
  • 四肢は短く、土をかき分けやすいように前足が大きく発達し、シャベル状の鋭い爪が生えています。前足が下向きではなく横を向いているのも、土中での生活に適応するための進化の1つです。
  • とがった鼻を持っている。
  • 体毛は皮膚から垂直に生えていて、自分の体の幅ほどしかないトンネルの中でも引っ掛かりにくく、後退も簡単にできるようになっている。
  • 尾は短い棒状です。

身体能力は?

  • 眼は退化して小さく光を感じる程度しかできない。視力はほとんどありません。
  • 嗅覚と聴覚は優れていて、鼻の先にある「アイマー器官」という振動をキャッチする感覚器官や嗅覚を使って、獲物を探します。
  • 泳ぎは上手く、水辺を泳いで移動出来ます。

土の中でなにをしているの?

モグラは土の中で、常にトンネルを掘り続けながら、寒い時期になっても冬眠することなくエサを取り続けています。

エサを探すために1日に50m以上トンネルを掘るとも言われており、1分間で30cm程度のスピードでとにかく掘りまくります。

穴を掘るという行為はモグラにとってもかなりの重労働のはずですが、地中は地上に比べて温度や湿度の変化が少なく、天敵であるキツネやフクロウにも襲われにくく、餌となるミミズや昆虫も多く生息しています。

モグラは単独で行動していて、巣に侵入してきたものに敏感に反応し攻撃的になります。縄張り意識が強く、生息数が多いエリアでモグラ同士が鉢合わせすると、どちらかが逃げるか死ぬまでケンカします。モグラが地上で死んでいることがありますが、これは縄張り争いによって追い出されたモグラが飢え死にしているものと考えられています。

何を食べている?

野菜などの作物は食べません。主なエサは、地中にいるミミズや昆虫です。

モグラが害獣とされるのは、モグラ自体が作物を食い荒らしているわけではなく、地中のエサを探す途中で自然と地面が掘り返され作物に被害が出るということです。

食欲旺盛?

エネルギーの消費が激しく、大量のエサを必要とします。1日に食べるエサの重さは体重の半分近くと言われており、12時間なにも食べないと餓死するほど飢餓に弱いです。

唾液に麻痺毒を含む種類のモグラも存在し、長時間空腹にならないよう、ミミズや昆虫を仮死状態にして巣に貯蔵し、非常食にしています。

すみかについて

地下に棲むモグラのすみかは広く、トンネルの長さは70〜300mと言われています。土の中に「餌を捕る場所」「餌を蓄える場所」「侵入者から身を隠す場所」など、いくつかの部屋を作り巣を構成しています。この主要な部屋を行き来するためのトンネルを本道、それ以外に餌を探すために掘ったトンネルを支道といいます。

モグラ塚

モグラ塚は、地上でモグラの存在を把握できる数少ないサインです。巣を作ったり、トンネルを掘るのに邪魔になった土を巣の外に積み上げる習性があります。モグラ塚は地上に土が盛られた形で現れるため、見つけやすいです。

本道

モグラの巣に通じる道です。モグラが頻繁に通る道で、地下30〜50cmの深さにつくられます。

モグラは本道が崩された場合、修復する習性があります。

支道

エサを探すために掘ったトンネルだが、一度しか使わないことが多く、行き止まりになっていることも多い道です。

本道と支道の見分け方

本道と支道を見分けるには、モグラのトンネルを踏みつけて壊してみます。本道であれば、モグラはすぐに壊されたトンネルを直します。反対に、支道であれば一度しか使わないことが多い道なので、モグラは壊されていることにも気づいていません。トンネルが壊れたまま直されないなら、支道だと判断してよいでしょう。

モグラを捕まえても大丈夫?

上記の習性により罠は本道を見つけて仕掛けることになりますが、罠を使ってモグラを捕獲するにはイノシシやカラスなどと同様に有害鳥獣捕獲許可が必要です。お住いの地域の自治体に、事前に相談し確認をしましょう。

12時間なにも食べないと餓死してしまう食欲旺盛なモグラ 、作物を傷つけず害虫だけ食べてくれるといいのですが。

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